鶏肉と玉ねぎのスープ
懐かしの味がある。フィジーで初めて男3人で旅した、たろうがロッジで作ったスープが忘れられない。
材料は骨付きの鶏肉に玉ねぎ、一欠片のにんにく、塩、お水、それだけである。鍋半分ほどに水を入れ、そこに鶏肉と切った玉ねぎを投入し、火をかける。沸騰してきたらにんにくを細かく刻み、お鍋の中へ。

10分程煮込んだら、塩を入れて味付けをする。このスープの核は、この塩の味付けと言っても過言ではない。塩が少なすぎたら全くもって美味しくない。ただ、塩を入れながら味見をする度、どんどん美味しくなるのだ。
非常に単純明快で、たろうは貧乏一人暮らしの時によく作ってたと言っていた。しかし、舌がバカになったんじゃないかと思うほど、このスープは美味しい。

ホロホロとした鶏肉にかぶりつき、軟骨のコリコリとした食感でさえも良いアクセントになる。透明なスープは塩味が効きニンニクの香りが食欲をそそる。玉ねぎは噛む動作が必要ないと思うほどで、胃袋の中に吸い込まれる。
ただひたすらに優しい味だ。
懐かしの味がある。男3人で旅した、フィジーの太陽の光に照らされた砂浜、透き通る海にどこまでも続く青空を。

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